「ブリューゲル展」に行ってきた!

こんにちは。
いつも、連休には、どこかしら美術館を訪問します。
今年は、豊田市美術館で開催されている「ブリューゲル展」を見てきました。

ブリューゲルといえば、昨年は、あの「バベルの塔」の来日が話題になりましたね。
僕は、大阪まで見に行きました。
細密な描写が本当に印象的でした。
細かいことがたくさん描き込まれているので、じっくり見るといくつも新しい発見ができる面白い作品でした。

ブリューゲルは何人いる?

ところで、ブリューゲルって、1人ではないんです。
美術が好きな方にとっては常識ですが、だいたい4〜5代くらいにわたって何人かの画家が活躍しています。
今回の展覧会は、「画家一族150年の系譜」とある通り、いろいろなブリューゲルさんの作品が鑑賞できる企画展となっていました。

ブリューゲルと名が付く人は、まず、ピーテル・ブリューゲル1世(これが初代)。
その子のピーテル・ブリューゲル2世ヤン・ブリューゲル1世
ヤン1世の子どものヤン・ブリューゲル2世アンプロシウス・ブリューゲル
ヤン2世の子どものヤン・ピーテル・ブリューゲルアブラハム・ブリューゲル
以上の7名が紹介されています。(これだと4代ですかね?)
ちょっと、もう、ほんとに、わけがわからなくなります・・(笑)

他にも、ブリューゲル家の女性が画家と結婚したケース、夫との間に誕生した子が画家になったケースなどもあり、「画家一族」として上記7名以外の画家の作品も紹介されていました。

プライベート・コレクションからの出品がほとんど!

今回の企画展の特徴の1つが、展示品のほとんどがプライベート・コレクション(個人蔵)であることです。

リストを見て、ちょっと驚きました。

4年前に訪問したブリュッセルの王立美術館には、ブリューゲル作品がたくさんあったと記憶していたので、そうしたところからの展示があることを想像していましたが、全く違いました。

でも、
と、いうことは、
今回展示されている作品は「滅多に見られない作品!」ということになりますよね。
鑑賞にも、自ずと気合が入ります! 皆さんも、この機会をお見逃しなく!(笑)

細密なタッチは、共通の特徴!

この時代の画家は、工房として絵画を製作していたので当たり前かもしれませんが、どのブリューゲルさんもタッチの細密さは共通でした。

写真は、アブラハム・ブリューゲルの作品です。
ぶどうや桃などの表面の質感の描き方が本当にすばらしいですね。
質感というのは、理屈抜きで鑑賞者に伝わってしまう情報ですから、この良し悪しは作品の印象を大きく左右すると思います。
また、これは、本物でないと伝わらないことでもあるので、美術館で実物を鑑賞することの意味がそこにあるのだと思います。

また、一族の中でも、長男(ピーテル・ブリューゲル2世)は父(ピーテル・ブリューゲル1世)の作品のコピーを多く製作したが、次男(ヤン・ブリューゲル1世)は自らの作風を確立しているという違いもあるようです。
現代の我々の感覚では、コピー製作というのには違和感を覚えますが、この時代は、工房として、顧客のニーズがあればコピーも製作していたようです。

さらに、僕は今回初めて知ったことですが、複数の画家による共作ということが行われていたようです。
展示作品の中には、アブラハム・ブリューゲルとルイージ・ガルツィの共作などが展示されていました。
人物部分と静物や背景部分を分担するというような形での共作が行われていたようです。

写真撮影が可能なコーナーも!

ところで、今回の展覧会、写真撮影が許可されているコーナーがあります!
これは、日本の美術館では大変珍しいことです!
展示の様子を画像で紹介できる機会は本当に珍しいので、先ほどの画像と上記の画像の2点だけ撮影させていただきました。
ただし、フラッシュは禁止です!
また、すべてが撮影OKではありませんので、その点も注意が必要です。
訪問された際には、ぜひ、ルールを守って楽しく鑑賞してくださいね。

まとめ

細密な描写、豊かな色彩と明るい画風が、ブリューゲル一族の特徴と言えるのではないかと思います。
風景画は、どこか絵本の世界のようなファンタジックな印象さえ受けますし、宗教的な画題の場合でも、イタリア絵画のような厳格さや重苦しさはなく、どことなくコミカルで暖かい、そんな印象を強く持ちました。
昨年来日した「バベルの塔(小)」を鑑賞して以来、ブリューゲル作品を見ることが楽しくなりました。

皆さんも、今回の展覧会、ぜひご覧ください!